ごあいさつ

事業環境の変化に対応し、中長期の視点で利益を生み出せる企業グループを目指してまいります。

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
新型コロナウィルス感染症の影響の長期化に伴い国内外で当社事業への影響が続き、今期も損失を計上することとなりましたが、前期に比べて当期純損失額を減少させることができました。事業環境を鑑み、手元流動性の確保を最優先し、経営の安定化を図ることが重要と判断し、誠に遺憾ながら2022年3月期は配当の実施を見送らせていただいております。
当社グループは「お客様第一」「品質本位」の経営理念のもと、中長期の視点で利益を生み出せる企業グループへの進化に取り組んでおります。事業環境は依然として先行き不透明な状況ではありますが、グループ一丸となって改革と改善を実行し、業績の改善に向けて尽力してまいります。
株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

当期(2022年3月期)の営業の概況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の影響が長期化する中、夏以降はワクチン接種の進行とともに緊急事態宣言が解除され、緩やかな回復傾向が見られましたが、本年年明け以降は変異株の感染急拡大により再び悪化いたしました。
衣料品業界におきましては、緊急事態宣言にともなう商業施設の臨時休業や営業時間の短縮、外出自粛による消費マインドの低下、行動様式の変化などにより、極めて厳しい状況が続きました。
衣料事業では、ライフスタイルや消費行動が大きく変化するなか、小売部門は売上高の確保につとめるとともに、仕入をコントロールし 在庫の適正化を進めてまいりました。また、Eコマースにおける収益拡大の取り組みの一環として、店舗スタッフによるデジタル接客の仕組みを導入し、実店舗とオンラインストアが一体となったシームレスなサービスの提供に取り組んでおります。
不動産賃貸事業では、小田原の商業施設「ダイナシティ」は、緊急事態宣言発令時も、地域のライフラインとして営業時間の短縮などを行ないながら営業を継続し、新テナントも誘致して感染対策を講じて営業しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は24,609百万円(前期比42.3%増)、経常損失は1,615百万円(前期は経常損失2,204百万円)、投資有価証券売却損や減損損失などの特別損失2,154百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3,544百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4,513百万円)となりました。

中長期的な取り組み

2022年3月期は、国内で希望退職者の募集を行い、一部ブランドの休止や不採算店舗の閉店とともに本部人員の削減を実行し、事業体制を縮小いたしました。黒字化に向けた主な取り組みとして、小売事業新生、海外事業拡大、不動産賃貸事業効率化に注力してまいります。
衣料事業の小売部門は、新型コロナウィルスの影響を受けて苦戦が続いてきましたが、安定的な黒字化に向け、仕入の適正化により在庫効率を改善し、値引販売の抑制や廃棄処分の削減を進めております。ニューヨーカーは、セミラグジュアリー化を進め、各販売チャネルで適正価格を維持し、生まれ変わる気持ちで「新生」をかかげて利益確保に向けて取り組んでまいります。新たに連結子会社となった株式会社ブルックス ブラザーズ ジャパンは、2022年3月期は営業黒字に業績を回復することができ、利益の拡大を目指してまいります。
「ニューヨーカー」と「ブルックス ブラザーズ」を小売事業の柱として、グループ内の製造部門を活用し、お客様が求める品質とそれに見 合う価格を維持し、「よろこばれる質」を提供することで、お客様からの 信頼を獲得することを目指してまいります。
また、中国をはじめとするアジア地域における小売事業の拡大を目的として、4月に新たに中国・アジア事業推進室を設置いたしました。中国ではニューヨーカー商品を販売する店舗を展開しており、パターンオーダーの取り扱い店舗を増やし、商品構成の幅を広げることも検討しております。中国をはじめとするアジア地域を売上拡大の余地がある市場ととらえ、小売事業の拡大に取り組んでまいります。
イタリアでファッションウェアとスポーツウェア向けの素材を製造するポンテトルトでは、環境に配慮した素材への需要の高まりにともない、同社が開発したリサイクル素材や生分解素材は高い評価を得ており、スポーツウェア向け素材の受注が大きく伸びております。グループ内との取り組みも増やし、売上拡大や新たな素材開発を目指してまいります。
小田原のショッピングセンター「ダイナシティ」は営業開始から30年近くが経過し、商圏の環境は変化してきております。地域のニーズが変わる中、新しい業態のテナントも誘致しており、今年に入り核テナントの1つであるイトーヨーカドーの面積を縮小し、4月に家電量販店が新規オープンいたしました。今後も地域の皆様に喜んでいただけるテナントを誘致し、地域との共生を意識して運営してまいります。
不動産賃貸事業では、今後も保有資産を有効に活用し、事業の安定化を図ってまいります。

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